今までに「私、体が硬いからヨガは難しい・・・」と感じたことはありませんか?
実はヨガは体の硬さを克服する最良の方法の一つです。
私たちはさまざまな体質・体調の人たちを指導してきました。その経験からヨガが体の硬さにどのように対処できるのか、その理由と方法を理解しています。
この記事では体が硬い人や初心者が安全にヨガを行い、ヨガの効果を最大限に引き出すためのアドバイスやおすすめのヨガポーズやヨガレッスンも紹介します。
この記事を読むと体の硬さを自然と和らげ、心と身体の両方をリフレッシュするためにヨガを活用することができるようになるでしょう。
体が硬い原因
日常生活でしっかりとストレッチや適度な運動を行わないと、筋肉は徐々に硬くなり柔軟性を失ってしまいます。またストレスは身体を硬直させる原因となります。
具体的に「運動不足」や「ストレス」が体の硬さにどのように影響を及ぼすのでしょうか。2つの原因を詳しく紹介します。
運動不足
日常生活であまり活動しない場合、筋肉は使用されず筋肉が硬くなる可能性があります。筋肉が常に縮んだ状態になり筋肉自体が硬くなってしまうからです。
長時間デスクワークをしていると、肩や首、背中の筋肉が緊張し全身が硬く感じることがあります。また長時間の立ち仕事も脚の筋肉を固くさせる可能性があります。
運動不足は体が硬くなる原因であり、定期的な身体の動かし方を変えることやストレッチやヨガを行うことで体の硬さを和らげることが可能です。
ストレス
ストレスが溜まると、身体は自動的に防御的な状態になり筋肉が緊張します。特にストレスは肩や首周りの筋肉に影響しやすく、全身の硬さを引き起こします。
厳しい締め切りや人間関係などの日常生活のストレスが、肩や首に緊張を引き起こし体の硬くなるのです。また心のストレスは睡眠の質を下げることもあり、良質な睡眠が確保できないと筋肉のリラクゼーションと回復が妨げられ体が硬くなる可能性が高くなります。
ストレス管理は体の硬さを緩和するために重要です。定期的なリラクゼーションや深呼吸、ヨガのようなリラクゼーションを促す活動を取り入れることが体の硬さを軽減するのに有効です。
体が硬い人にヨガがおすすめな4つの理由
体が硬いと感じている人たちの中には「ヨガは難しいのでは?」と疑問に思っている人も多いかもしれません。しかしヨガは体の硬さを改善するための理想的な動きであり、その理由を4つ紹介します。
- 柔軟性がアップする
- 筋力を高める
- ストレスを軽減する
- ゆっくりと深呼吸ができるようになる
柔軟性がアップする
ヨガのポーズは体の各部位を伸ばし、緩めることで全体の柔軟性を高めることを目的としています。
日常生活であまり動かす機会がない筋肉や関節を活性化し、全身の可動範囲が広がるからです。
「ダウンドッグ」と呼ばれるポーズは、特に腕や脚、背中の筋肉を伸ばすのに役立ちます。定期的に行うことで筋肉や関節が柔らかくなり、より深いストレッチが可能になります。
定期的にヨガを行うことで身体の硬さを自然と改善し、より柔軟性のある身体を手に入れることができるのです。
筋力を高める
体の硬さはしばしば筋力の不足から生じます。普段使われない筋肉が弱まると体全体のバランスが崩れやすくなり体が硬く感じられることがあります。ヨガのポーズは全身の筋肉に働きかけ、特に普段あまり使われない筋肉を鍛えるのに有効です。
「チェアポーズ」は脚の筋肉を強化し、「プランクポーズ」は腕、肩、体幹、脚全体を強化します。
ヨガを定期的に行うことで、体が硬い人々も筋力を高めることが可能です。筋力がアップすることで、体の硬さは自然と和らぎ日常生活の中での動きやパフォーマンスも向上します。
ストレスを軽減する
ヨガは肉体的な柔軟性や筋力だけでなく、ストレスの軽減にもなります。体が硬い人であっても心地よいリラクゼーションを得るための有効な手段です。
ヨガは深い呼吸を促すポーズと連動した動きから成り立っています。パラシンパシー神経系を活性化しストレスホルモンのレベルを下げることが科学的に証明されているからです。またヨガは瞑想的な側面も持っており、心の平静を促進することでストレスを軽減します。
心と体を結合と調和に統合するための規律として西洋世界で急速に台頭してきたヨガは、生活様式として採用されると、肉体的、精神的、知的、スピリチュアルな健康を改善します。ヨガはストレス、不安、うつ病を管理し軽減する効果的な方法であり、気分関連障害に対するヨガの有効性を多くの研究が実証しています。
National Library of Medicine
「子供のポーズ」や「死者のポーズ」などのリラクゼーションポーズは特にストレス軽減に効果的です。深い呼吸を促し、心と体をリラクゼーションの状態に導きます。
体が硬い人でも、ヨガの練習を通じて心身のストレスを軽減することが可能です。肉体的な改善だけでなく、精神的な健康とリラックス効果が高いのです。
ゆっくりと深呼吸ができるようになる
ヨガは呼吸を深くゆっくりと行う技術を学ぶための素晴らしい練習方法です。体の硬さに関わらずヨガによって深い呼吸の能力を向上させ、日常生活の質を高めることができます。
ヨガの練習には「プラナヤーマ」(呼吸法)が含まれます。これは心拍数を下げ、リラクゼーションレを高めストレスを軽減します。さらに深呼吸は酸素供給を改善し集中力を高め、エネルギーを上げることが証明されています。
参加者は、アクティブコントロール条件として、8週間のマインドフルな呼吸意識瞑想または漸進的な筋弛緩を実践する前後にテストを受けました。瞑想グループではMOTパフォーマンスが向上し、SSVEP振幅の減少が見られましたが、リラクゼーショングループではそのような変化は観察されませんでした。どちらのグループも、自己申告によるポジティブな感情とマインドフルネスには変化がありませんでしたが、マインドフルネスグループではネガティブな感情のわずかな増加が観察されました。
scientific reports
「片鼻呼吸法」は、交互に各鼻孔から呼吸を行うことで、心拍数を下げ、リラクゼーションを促します。
深呼吸はリラクゼーション、集中力向上、エネルギー向上の効果があり、全体的な生活の質を向上させます。
体が硬い人や初心者に安全にヨガの効果を得るためのポイント
ヨガは心と身体の健康に効果があると広く認知されていますが、体が硬い人や初心者が最大の効果を引き出すために3つのポイントに注意する必要があります。
- 呼吸が止まっていないか確認する
- 痛みやつらさを感じていないか確認する
- 無理のないレッスンに参加する
呼吸が止まっていないか確認する
ヨガは深い呼吸と身体の動きが連動することでリラクゼーション効果や集中力向上をもたらします。呼吸が乱れたり止まったりすると、効果を十分に得ることができません。
「立ち木のポーズ」では一方の足を反対の太ももやふくらはぎに置き、両手を頭上で合わせます。立ち木のポーズは、呼吸を深く吸いながらバランスを保つことが求められます。もし呼吸が止まってしまうと、体の緊張が増しバランスを崩しやすくなるだけでなく、ポーズ自体のリラクゼーション効果も半減します。
体が硬い人や初心者でも、呼吸が常に自然に行われていることを確認しながらヨガのポーズを行うことが安全にヨガの効果を得るための重要なポイントです。
痛みやつらさを感じていないか確認する
ヨガの目的は身体をリラックスさせて、心と身体のバランスを改善することです。痛みやつらさを感じるということは、身体にとって適切な動きでない可能性が高くなります。
「三角ポーズ」では足を大きく開いて片足を外側に向け、上半身を傾けるという動きです。三角のポーズで膝や背中に痛みを感じる場合は、ポーズの角度を少し調整したり道具を使用してサポートします。
体が硬い人や初心者であってもヨガのポーズを行うときに「痛みやつらさを感じていないか確認する」ことを心掛けることで、ヨガの効果を最大限に発揮できるでしょう。
無理のないレッスンに参加する
初心者や体の硬い人が一気に難易度の高いクラスに参加すると、必要な基礎が不十分なため適切なポーズを取ることが難しくなる場合があります。
初めてヨガに参加する方や日常的に運動をあまり行っていない方にとっては、ゆっくりとした流れのヨガクラスや基礎的なポーズを教えるクラスがおすすめです。呼吸法や基本的なポーズがしっかりと教わることができて、身体に負荷をかけすぎることなくヨガの基本を身に付けることができます。
自分の身体の限界を理解し無理なく取り組めるレッスンに参加することが、ヨガを安全に楽しく続けるための重要なポイントです。
体が硬い人におすすめヨガポーズ5選
体が硬いと感じている人たちにもヨガは大いに役立ちます。ヨガは柔軟性を高め筋肉の緊張を和らげ、全体的なリラクゼーションを促すことで体の硬さを自然と緩和してくれます。
特に初心者や体が硬い人向けに設計されたヨガポーズは、急激なストレッチや難易度の高い動きを必要とせず誰でも安全にできます。
ここでは体の硬い人でも無理なく取り組むことができ、かつ効果的なヨガポーズを5つ紹介します。
子供のポーズ
- 正座になります。
- 息を吐きながら骨盤から上半身を前に倒して、おでこを床へくっつけましょう。
- 3〜5呼吸繰り返しましょう。
効果:肩や首、背中周りの筋肉を柔らかくほぐしてリラックスできる
ワニのポーズ
- 仰向けになり、両膝を立てます。
- 左足を右足に組みましょう。
- 息を吐きながら両膝を右側へ傾けて、お腹をツイストしましょう。右手で左膝を押さえ、左肩は床に沈めます。
- ねじった状態で3〜5呼吸繰り返します。
- 反対側も同様に行いましょう。
効果:骨盤のゆがみを整え、正しい位置に調整する
仰向けのがっせきのポーズ
- 仰向けになります。
- 足裏を合わせて、膝を外側に開いて左右の床に近づけます。
- 3〜5呼吸繰り返しましょう。
効果:股関節の柔軟性を高める
コアラのポーズ
- 床にあおむけに寝て、両膝を立てます。
- 右足の外側のくるぶしを、左の太ももの上に乗せます。
- 右腕を右ふくらはぎの下に通し、両手で左の膝下を抱え、胸のほうに引き寄せます。
- 3~5呼吸キープ。反対側も同様に行いましょう。
効果:お尻の筋肉の張り、疲れを癒す
ガス抜きのポーズ
- 仰向けになり、両膝を抱え込みます。
- 息を吐きながら両腕でひざを胸に引き寄せ、上体を起こします。 このとき、太ももを下腹に押しつけ、お尻を持ち上げ呼吸を5回します。
- 体を元に戻し、息を吸って、また繰り返します。 ※注意)頸椎に問題のある時は、頭を上げずに行ってください。
効果:便秘解消やお腹の張りを和らげる
体が硬い人におすすめのレッスン
体の硬い人にとってヨガのポーズを正しく行うことは難しいかもしれません。しかしヨガにはさまざまな種類があり、自分の身体の状態や目的に合わせて選ぶことができます。体が硬い人に特におすすめしたいヨガのクラスは、「骨盤調整ヨガ」と「リラックスアロマヨガ」です。
骨盤調整ヨガ
骨盤周りの筋肉をほぐして骨盤の位置を正すことを目的としたヨガです。骨盤の位置が正しくなると全体の姿勢が改善され、体全体の筋肉のバランスが良くなります。体の硬さは体のバランスの崩れやねじれから生じているので、骨盤調整ヨガは体の硬さを和らげるのに役立ちます。
リラックスアロマヨガ
リラックスアロマヨガは、アロマテラピーオイルの香りを利用しながら行うヨガです。アロマの香りによるリラクゼーション効果とゆっくりとしたヨガの動きを組み合わせて、心と身体の両方を深くリラクゼーション状態に導きます。体が硬い人は筋肉が常に緊張していることが多く、リラックスアロマヨガは緊張を和らげて体の柔軟性を自然に引き出すのに有効的です。
まとめ
ヨガは体が硬いと感じている人たちにとってとても有効なツールです。
- 柔軟性の向上
- 筋力の強化
- ストレスの軽減
- 深い呼吸の習得
ヨガの効果はさまざまな側面での効果を発揮します。初心者や体が硬い方でも安全に効果を得ることができます。
ただしヨガに取り組む上で大切なのは、自分の身体と心の状態をしっかりと観察し無理をしないことです。呼吸が乱れていないか体に痛みや不快感がないかを常に確認し、自分に合ったレベルのポーズやレッスンを選んでください。
体が硬いと感じてヨガをためらっている方、骨盤調整ヨガやリラックスアロマヨガなど体の硬さに対応したレッスンに参加してみませんか?あなた自身の体の硬さを緩和し、心地よいリラクゼーションの時間を得るための第一歩としましょう。